クリティカル・シンキングの課題解決ステップの1つである「枠組みを考える」。
前ステップで実施した「イシューの特定」から論点を展開するため、MECEに考える重要性をご存知ですか。
論点が狭すぎると極端な答えになり、広すぎると情報収集が大変で時間がかかります。
適切な論点を見極める技術を養うためのポイントをお伝えしていきます。
重要なのは、イシューに対してMECEな枠を設定できるかです。それでは解説していきます。
課題解決ステップ「枠組みを考える」とは
課題解決ステップの「枠組みを考える」ことは、イシューに対して論点を展開する重要なポイントです。
イシューの特定後、そのイシューに対して何が原因かを検証していく上でも、枠組み設定が大切です。
設定した枠組みが狭いと、特定の意見しか集まらず、本当にそうなのか?と疑問を持たれてしまいます。
逆に枠組みが広いと、イシューに対して不要な情報も集まりやすくなり、議論が発散してしまう可能性も。さらに時間もかかってしまうため注意が必要です。
枠組みを考えるとはMECEな状態を作ること
枠組み設定で重要なことはMECEな状態であることです。
例えば、「売上が下がっている」というイシューに対して、枠組みを設定したとします。
客数×客単価を枠組みに設定して売上を見るのが一般的ですが、「客数」だけにフォーカスしてみます。
「客数が去年比で80%に下がり売上が去年比で90%だった。」という結論だと違和感があると思います。
売上は客数×単価で算出されるが、客数にしかフォーカスしていないため納得感が生まれません。
単価も加味すると「客数が去年比で80%に下がったが、単価を数%あげたことで売上が去年比で90%だった。」という結論になります。
MECEな状態を作れたので、結論に納得感が生まれます。
このMECEな状態を作ることが、枠組み設定で重要なポイントです。
MECEを作るポイント
MECEを作るポイントは、いかに抽象度を高めるかがMECEを作るポイントです
人であれば、男女や年代で区切るとMECE。移動であれば、陸・海・空で区切るとMECE。
手段を軸に考えてしまうと具体的になってしまい、MECEにならない可能性があるので注意です。
例えば、陸の移動を手段で考えると、電車・車・歩き・自転車・バイク。MECEではないことはひと目で分かります。
抽象度を高めるとは、もう1つ上の階層を作ることです。そして、対立的に考えるとうまくいくと思います。
陸の移動を公共交通機関・私的交通機関と対立の関係で分けると抽象度を1つ高められます。
抽象度を高めることで、MECEな状態をキープしたまま具体的にモノゴトに考えることができます。
ただし、MECEな状態に拘りすぎることは本質的ではありません。イシューに対しての落としどころかを見極めて考えましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
クリティカル・シンキングの課題解決ステップの「枠組みを考える」。
枠組みをきれいにセットできると、その後のステップをスムーズに取り掛かることができます。
MECEに考えることが重要ですが、MECEに捕われすぎないことも重要です。
この感覚は何度も繰り返すことで磨かれていきますのでたくさん練習していきましょう。
次回は、「仮説を立てる・仮説を進化させる」ステップです。以下の記事で解説します。
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